対文章式記憶術の最新戦術

対文章式記憶術についてはこのサイトのトップページで説明しています。

最新戦術は2個あります。
一つは「規則的情報変化」
もう一つは「パーツ巡り」

規則的情報変化とは簡単に言えばパーツの一部を少し加工して同じパーツ同士で被らないようにしようというものです。
当然干渉も起きないです。
これを規則的に加工をすることで、少ししか覚えなくてもよくするという工夫が入っています。
だから規則的情報変化という名前がついています。

もう一つのパーツ巡りは、規則的情報変化を前提として、被らなくなったパーツを使って、そのパーツを場所として利用しようというものです。
なぜそんなことを思いついたのか、というと、見立てまでやったパーツを巡る際、かなり高速でパーツを巡ることができるからです。
これを場所の代わりに使ったら、場所法を熟練していない人でも高速で場所巡りと同じことができるのではないか、と考えました。

これを完全に機能させるためにはまだまだ工夫が必要になります。
どのような工夫が必要かということを問題として捉えた場合、2つの問題があります。

①規則的情報変化で付加する情報は一体どのようなものにしたらいいか?という問題です
②パーツを場所として利用する場合、どのような内容のパーツを場所として利用したらいいのか?という問題です。

①はどのような情報だったら、情報の増加の影響を最小限にできるか?ということがネックです。
情報の増加は様々なところで述べておりますが、自分の記憶容量の限界値が100だとすると、普通の記憶術では一つのイメージにつき、10使うと仮定します。
そうすると容量100÷1イメージあたり消費10なので10個のイメージを覚えれます。
それに対して1イメージあたりの情報を増加させた場合、思い出しやすさも2倍高くなりますが、1イメージにつき20の容量を消費すると仮定します。
すると容量100÷1イメージあたり消費20なので全体として5個のイメージしか覚えられなくなります。
これが情報の増加の悪影響です。

この悪影響だけを取り除くあるいは最小限に抑えるのが必須事項となります。

②は文章の冒頭や題名、題目などを対文章式記憶術でイメージ化し、場所として利用してもいいのですが、どうせなら文章の構造などをパーツ化し、それを場所として利用したいのです。

なぜ目次などに載っている小見出しなどだとダメか?というと、小見出しなどをイメージ化したとき、そのイメージに含まれているパーツの数が、必ずしもその小見出し全ての文章を乗っけるほどの数ではない可能性があるからです。

これらの問題をクリアしたい!
というかしないとあまり使えない記憶術の気がします。

超検索能力を獲得する術(すべ)

前の方のブログでパーツを場所に使って、場所巡りならぬパーツ巡りをし、大量の情報の復習を高速で終わらせられる可能性があることを述べた。
今回はその後その実験がどうなったか?からその後の発展を述べることにする。

パーツ巡りとは対文章式記憶術のパーツを組み合わせ、それを何らかのイメージに見立てることから始まる。
復習の際、その見立てたイメージをパーツに分解して、パーツを巡る。
このパーツを巡る作業が実に高速でできることから、この高速さを使って、場所巡りのようなことができないのか?というアイデアから出発している。
普通場所巡り、つまり場所をたどってく作業を高速でするには、ある程度の熟練が必要ですぐにできるようなことではないらしい。
そこで初心者でも高速にたどれるパーツを巡るという作業がピックアップされた。

普通、イメージは他とのイメージの大きさのバランスを無意識にとってしまうので、モノのイメージを場所のように使うのは難しい。
しかしパーツ自体には大きさの決まりがないので、これを場所として利用しても大丈夫だと考えている。

そしてパーツを場所のようにモノのイメージを置いて使ってみた。
結果はパーツにモノのイメージを置いてもいちおう効果があった。
またパーツ巡りの効果もそれなりに安定して働いた。

ここからが今日の話。

一日経ってパーツ巡りをしたら、全てではないにしろモノのイメージが消えていた。
さらに二日経って、そのモノのイメージも対文章式記憶術でパーツを組み合わせて、見立てたイメージだったので、ちゃんと文章に戻せるかを実験してみた。
(なぜ一日経ったときに、文章に戻せるのかしなかったのかは謎。ボブの脳みそがバグってた)
すると、これも全てではないにしろ壊滅していた。
これが普通の記憶術でも同じくらいの忘却なのか、これを知るすべがないので次回からは対文章式記憶術で作ったイメージに加えて、普通の記憶術で作ったイメージで場所に置いたものを用意しておこうと思った。

それはそうとして、パーツを場所に使う際に困ったことが起きることを再認識した。

それはパーツを場所に使うと、同じ形がいっぱい出た場合に干渉を避けることができないことだ。
いくら見立てたイメージであって、色や質感が違うイメージを作ったとしても、大枠の形が同じだと干渉は不可避だと思われる。

そのためパーツにちょっとした細工をする必要があることがわかった。
それがパーツの変化を規則的に与えるというものだ。
例えば色を規則的に変化させ、同じパーツ一個一個を識別できるようにすることなどがこれにあたる。
だが色のみの変化で果たして干渉を防ぐことができるのか?
また対文章式記憶術のパーツでは見立てることをするので、色だと見立てた際に全然反映されないイメージをする可能性があるし、だからといって色に配慮した見立てなどしたらプロトタイプのイメージとほど遠くなり想起が困難になる。
その点から考えるに規則的変化に色を使うのは難しい。

ここでボブはサヴァン症候群などの超人的な人の話を思い出した。
彼らの中には、特定の単語がこの文章中に何回出たか、またその特定の単語が出た文章を検索して来て想起できる能力がある人がいるらしい。
それと今のボブの悩みの解決策が一致していることに気づいた。
今までどうやってこの能力ができるのか?という視点から考えていたが、本当はこの能力がなぜ「必要」だったのか?を問う問い方があることに気づいた。
つまりこの能力を持つ人々は、この能力を意図して持とうとしたわけではなく、必要だったから持って「しまった」と考える方が整合性が高いことに気づいた。

これはようするに文章を覚える上で、同一情報を使い回すと必ず干渉が起きる。
だから同一情報だけど違う情報だと認識させる必要があった。
しかし常に全く違う情報にするのは難しい。
そこで“規則的に”変化させた情報を用意するに至った、とボブは解釈した。
規則的だからこそその語の登場回数がわかる。

またこれらのことから、完全に違うイメージを使っているとも考えにくい。
イメージが規則的に変わっているとは言え、全く違うイメージであればそのイメージが表す意味内容を想起できない可能性が高まる。
その点から考えれば、特定の単語を表す“基礎となるイメージ”とそれらに変化を与える“規則的な情報変化”があると考えた方が理屈が通る。

この上述の理由で彼らは語の出現回数やその語が使われている文章の検索が容易にできるのではないか?
これがボブが考えている出現回数およびその語が使われる文章の検索ができる理由。

順を追ってこのボブのモデルをまとめると、
まず単語の記銘の際、単語に対応した①基礎イメージを思い出す。
②その語の出現回数からその単語を表す基礎イメージに何らかの規則的な変化を与える。
③それを繰り返し、場所法なんなりで覚えておく。
想起の際は何を問われるかによるので、例えば「ある語の5回目はどういう文章だったか?」と問われたとする。
すると④その語の基礎イメージを思い出す。
⑤その語の5回目の変化したイメージを思い出す。
⑥その変化によって特定された語の周辺情報を思い出す。

このようにして、語の出現回数および語の使われている文章を思い出せるのではないか?と考えた。

ちなみにこの規則的情報変化がかなり難しい問題なので、今のボブにはその解決策を提示することはできない。
なので、日々工夫してみている。

場所法初心者が熟練者並みに

場所法熟練者のスゴイところは、猛スピードで場所をたどれるところだろう。
これはかなり訓練しないとできないらしい。
ちなみにボブはできない。
まあガムシャラに場所の中を通り過ぎることはできる。
でも場所の中のポイントポイントで場面を猛スピードで切り替えことはできない。

ボブは場所法熟練者のように場所法を極めて、猛スピードで駆け抜けるのは正直メンドクサイ。
そこで場所法初心者にして場所法熟練者のように、猛スピードで場面を切り替えることがしたい!
そんな方法果たしてあるのか?

あるよ。。。

ボブが目を付けたのは、対文章式記憶術のまとめたパーツ。
対文章式記憶術を使っていればわかるだろうけど、まとめたパーツを見立ててから、パーツ一個一個をフォーカスして観るスピードはかなり速い。
これは初めからそうだから、熟練すれば本当に神速になるだろうことが予想される。
この初めから高速のパーツ巡りを利用する。

ボブは試験的に対文章式記憶術で冒頭一文、4~6単語ぐらいをパーツに変換し、それをまとめ、見立てた。
ここまでは普通の対文章式記憶術の運用だ。
そしてその冒頭の一文でできたパーツを巨大化し、文の単語の順にその冒頭一文後の文章のイメージを置いていった。
これは対文章式記憶術のパーツがそもそも大きさが不明なパーツであるからできたことだろう。
大きさがわからないから巨大化しても、脳みそが大きさを拒否することができないのではないかと考えている。
またこのときの冒頭一文後の文章のイメージも当然対文章式記憶術で単語をパーツにし、まとめ、見立てたイメージだ。

こうして一つの巨大化したイメージの各所にまたそれよりも小さいイメージが貼り付いたイメージを作った。
そしてこれが場所法熟練者の場所巡りによって強制的に、その場所に置いたイメージが想起される現象と同じことが起きるか確認した。
結果はどうやらパーツを高速でパーツ巡りしても、場所巡りと同じような現象が起きることが確認された。

確認されたが、これがさらに便利かは別問題なので、引き続き利用してみて便利かどうかの判断をする。

これがボブ流の場所法初心者が場所法熟練者並みに猛スピードでイメージを巡る手段だ。

それにしても場所を思い出すだけで、そこに付随してくるモノのイメージまで想起されるのはボブには実に不思議な現象だ。
この場所を思い出すことで付随して想起される現象をボブは今のところ、背景がモノのイメージによって削られるため、という説と場所とモノのイメージが結合して連続的になるからでは、という説を持っている。
これは昔、雲がある空の中、つまり空中にモノのイメージを置くという実験をして、雲をバックにしてモノのイメージによって雲が削られた場合、いくらか記憶に残りやすくなる、という実験から背景の方の説は支持されている。

と言っても今はそれだけだが。。。