複雑なシナプス的関連付け

関連付け方には様々な様態があり、いまだに全ての関連付け方というのは解明されていないとボブは思っている。
しかし対文章式記憶術のように「組み合わせる」というような関連付け方が発明されると、記憶術はより独特なものになるとボブは経験的に思っている。
そして今回はシナプスの結合のような関連付け方を説明する。
ちなみにここで紹介する方法は普通の記憶術でもできる。

普通の記憶術で使われている行為による関連付けがある。
例えば「リンゴがミカンを蹴った」というようなイメージで、言葉で表すならば「AがBにXという行為をした」という形で表せるものがほとんどだろうと思われる。

この行為による関連付けは実はある特徴を持つ。
それは1対1対応とデジシステムという会社の牛山という方が提唱した概念で説明できる。
1対1対応というのは、上述の関連付け方もそうなのだが、英語でいうところの一語一義に似ている。
某本では単語カードなどによって覚えるのに適した形として1対1対応しているものがいいとされていた。
ようするに単語カードの表に一個情報を書き、裏に一個情報を書くこと。
このとき表に情報を一個書いたのに、裏に2個以上の情報を書くと復習の際効率が落ちるとのことだった。

この1対1対応は実はイメージ記憶の行為による関連付けにも起きる。
(これは自己研究でサンプル数1)
えっ!?と思われた方もいるのではないだろうか。
イメージ記憶だったら、1対多対応でもできるからだ。
その仕組みこそが今回のテーマとなる。

実は「リンゴ全体でミカンに体当たりした」というようなイメージだと1対1対応が発生する。
それに対して「リンゴの底でミカンを押しつぶした」というようなイメージだと1対多対応できる。

この差は何なのか?
これはイメージの特徴を分割して使っているか?
それとも全体のイメージの特徴を使っているか?による。

これは想起のシステムと深い関わりがある。
想起するにあたり想起したいイメージの特徴を検索して人間は想起している。
そこでモノのイメージの全体の特徴を使って、同じように関連付けたモノのイメージが3個以上あると干渉を起こすようだ。
つまり「リンゴ全体でナシを押した」と「リンゴ全体でパイナップル投げた」というようにイメージすると、リンゴ全体から想起した場合、イメージが被ってしまい、上手く想起できないかもしれない。

これに対してイメージの特徴を分割した場合、例えば「リンゴの皮でメロンを巻いた」と「リンゴの枝部分でバナナを刺した」みたいなイメージにしたとする。
するとリンゴで検索した場合に、一つは「リンゴの皮」だった、もう一つは「リンゴの枝」だったというように検索するとき、別々の特徴として検索することができるようになり、一対多対応が実現する。

この方法を使ってシナプスのような複雑な関連付け方ができるのではないか。