自閉症の物理的可塑性と記憶術への応用

自閉症の方が記憶力に特化した能力を持つことがあるのは有名な話です。
普通の知的な障害を持つ方より何倍も自閉症の方はすごい記憶力を持つことがあります。
確か知的障害者の方は2000人に一人すごい記憶力を持った方がいるのに対して、自閉症の方は20人に一人だったと記憶しています。

このようなことが起こる原因が何か?
ボブはずっと考えてきました。
それがついに答えがわかったかもしれません!

記憶力を伸ばす上で自閉症の方の性質が大きく関わる。
だから自閉症の方の方が記憶力がいいのだろう、という所は誰でも行き着く仮説です。
では、自閉症の方の何がそうさせているのか?
ここが今までわからなかった所です。

まあ実際は全ての情報を“視覚化”している、という可能性は記憶術をやっている者ならすぐに思いつくことですが。。。

しかし今回ボブがその視覚化に加えてさらにここだ、というポイントがあります。
それは自己の部屋の様式を“完全に”決めておいている、という所です。
自閉症の方は自分の部屋の物の置き方が、少し違うだけで混乱を起こします。
そこには強烈な不快な感情を伴います。
彼らは“自分ルール”があり、物の置き方すべてにこだわりがあります。
この完全に置き方が自分ルールによって決まった部屋があるというのが今回の肝です。

感情についても、記憶力をよくする因子ではありますが、一般的な人がこの感情までをまねるのはボブは難しいと考えて、今回はこれを割愛します。

さあ、「完全に自分ルールの置き方で決まった部屋」が存在してしまっています。
ここでボブに今回のタイトルを回収させてもらいます。
物理的可塑性というのは、ボブは例えば鉄板に強い衝撃を与えたら、当然へこむと思います。
このへこみを物理的可塑性とボブは勝手に言っています。

それが記憶術と何が関係があるのか?と言われれば、結局情報というのは脳みそにこの物理的可塑性を与えることで成り立っている、と言えると思います。
つまり情報を保存することになった場合、イメージの世界でもこの物理的可塑性があれば記憶できる、とボブは考えました。

ここで「完全に自分ルールの置き方で決まった部屋」の話につながります。
完全に置き方が決まっていれば、当然すべての情報の状態は一定です。
この一定の情報状態に、情報が入ってきたとき、変化を与えます。
この変化が物理的可塑性です。

さらに変化も自分ルールで変化させていますので、変化後の情報も予想しやすい状態にあります。
予想しやすいということは、想起しやすいということでもあります。

想起するときは、いつもと違う部屋の部分を観ることで想起できます。

これがボブが考える自閉症の方の記憶力のカラクリです。

まとめると、
①完全に記憶している情報群を用意する
②変化に何らかの自分ルールを用意する
③完全に記憶している情報群に自分ルールの変化を与える

この3つを用意できれば、イメージ記憶術をさらに伸ばすことができます。
ボブが何をやってそれを確認したか?というと、決まった置き方をされている某店のトレイを観ながら、対文章式記憶術を適用しました。
具体的に上から、おしぼり、その下にナプキン、その下に下紙??があって、その横にストローの袋の残骸がありました。
それをおしぼりはこの形だとあのパーツに似ている。
ナプキンもこう折ればあのパーツに似ている。
下紙もこうぐしゃぐしゃにすればあのパーツに似ている。
ストローもこう置いて、こうひねればあの意味になる。
といった具合でイメージしたら、かなり覚えていたので、これを一つの実証として考えています。

でもこれだとまだまだ実証にはほど遠いので、ボブはしばらくこれをいじくっていると思います。
実証できたら、また報告するかもです。

内的アウトプットと自閉症

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内的アウトプット、つまり中間プットとはインプットとアウトプットの間の方法です。
ようするに、アウトプットが外に何らかの行為をもって、表現するのに対して、内的アウトプットとは外には出さず、イメージや思考を通じて、覚えた情報を心の内にアウトプットする方法です。

今回は自閉症の人の証言から、考えた方法を紹介します。

記憶術を改良にするに辺り、考えられる道が2つあります。
一つ目は、イメージの世界では運動や影などを統合して表すことが難しいのですが、それらを統合しようと考える。
いわば統合の道です。
もう一つは自閉症の人は、形と色を同時にみることができないということからヒントを得た自然に統合している情報を分離させる。
いわば分離の道です。

さて、ここでは分離の道の話になります。
自閉症の人同様に、目の前のノートや筆箱から色を抜いて、内的にイメージを描くと覚えやすい気がしました。
まだ観測を続けなければいけないのですが、どうやら目の前の情報を平面的に観たり、色を抜いて線として観たりすると記憶に残りやすくなる気がします。

でも、まだ観測段階なので、何とも言えませんがw。

自閉症に特にみられる超人的記憶力の方略仮説(インタビュー版)

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シモニデス先生にインタビュー形式で尋ねてみた。
シモニデス先生、自閉症の方々にみられる超人的記憶力というテーマで今回はお伺いいたします。
自閉症の方々は特に記憶力が良い方が生まれやすいと言われています。
その理由をどうお考えになられていますか?

シモニデス先生「先生ではないプロフェッサーシモニデスじゃ!!そこんとこよろしくじゃ。で、自閉症の方々の超人的記憶力の話じゃが、それは自閉症の方々の症状の特徴に起因しているとわしは思っている」

それはどのような特徴でしょうか?

シモニデス先生「わしが予想しておるのは、「同じことを繰り返す」ということと「自分なりの拘り」があること、「拘りとズレると尋常じゃない不快感」を表すこと、それに「視覚的情報に理解を示す」ことじゃな。どれも記憶術を構成するための要素となりそうなものばかりじゃ」

具体的にお聞きしますが、それらの特徴を彼らはどういう風に使っていると思いますか?

シモニデス先生「記憶術と言えば視覚的情報や同じことを繰り返す意味は比較的わかりやすいと思うのじゃが、ここからは完全な仮説じゃ。わしの考えているのは視覚的なイメージを“整理”しておるのではないかと考えているんじゃ」

“整理”ですか?整理するというとどのような整理の仕方なんですか?ただ単に整理してもあまり意味をなさないような気がするのですが。。。

シモニデス先生「うむ。ただ単なる整理ではないんじゃろうとわしも思っている。彼らには特徴があっての。例えば遊具などを直線状に並べるという遊びをするのじゃ。この遊びにも拘りがあって、わしが考えるにこれも“整理”されておると思っておる。しかもそれは彼ら一人一人にとっての整理の仕方で整理されとるのじゃろうと思っておる。だから他の人からみると何が何だかわからない整理の仕方になっておる」

少しわからないところは、例えばランダムに出てきたイメージを、シモニデス先生の言ったように整理されるとしますね?そこで例えば直線状に箱を並べて、リンゴは5番目の箱、バナナは1番目の箱、ミカンは8番目の箱・・・っていう感じで入れて行きますよね?でもその入れ方だと想起するときに、一番初めに出てきたのは何か?って問われたら、果たしてリンゴって答えられるんですかね?

シモニデス先生「じゃからわしはプロフェッサーシモニデスじゃ!まあ、よい。その話は誰でも思うことじゃろうなー。その話は以下の3つの方略に分けれるのじゃ。
①整理優先の方略
今思いつく限りじゃと、ランダムに出てくる情報を上記のようにリンゴであれば5番目の箱、バナナであれば1番目の箱というように入れて行って、順序をそれらイメージにタグ付けする方法じゃな。
わしはあまりこの方略は好かんな。。。
②整理と順序を同時に扱う方略
横軸を整理軸として、縦軸を順序の軸として扱う。
この方法だと平面的なイメージがちゃんとできんとできん。
③順序優先の方略
ランダムに出てくる情報を出た順に右から左へ並べて行く方略じゃ。
わしの完全な直観じゃが、この方法が自閉症の方々の方略ではないかと思うんじゃ。

③が自閉症の方々の方略だとすると、整理の方はどうやっているんですかねー?
このままでは順序はわかっても整理はできていないんじゃないですか?

シモニデス先生「うむ。問題はそこじゃの。では、わしはどう考えたか?を聞きたいんじゃろ?順序は右から左、または左から右などの直線状に並べる方法じゃ。これは大体わかるじゃろ?さて、お次は整理の仕方じゃが、要はの?わしらに必要なのが、ランダムに出てくる情報にピッタリ適合したご都合主義の整理の仕方じゃ。つまり、最初がリンゴであれば、最初の整理する箱にはリンゴと書いてある箱が用意され、2番目がバナナであれば、次に置いてある箱にバナナと書いてある箱が来るというような絶対にあり得ないような整理された箱じゃ」

そんな箱の順序絶対あり得ないじゃないですか!?だって、先に整理の仕方を決めておくんだから、未来予知でもしていない限り、そんなの無理ですよー!

シモニデス先生「そうじゃの。そんな都合のいい整理など、前もって決めておくことはできないの。それではどうするかの?答えは簡単じゃ。整理の仕方をアバウトにしておくのじゃ。例えば、1番目の情報は「点」の特徴の有無で整理する。2番目は「輪」の特徴の有無で、3番目は「円」の特徴の有無で、というように抽象的な何でも当てはまりそうな何かでイメージするのじゃ」

ということは、1番目がリンゴの場合、リンゴのどこかに点を見つけ、2番目がバナナの場合、バナナのどこかに輪を見つけるという感じですかね?

シモニデス先生「その通りじゃ。そうして整理するのじゃが、本当に上手くいくかはまだ謎じゃ。。。」

今日はありがとうございます!シモニデス先生w